【入門 Vol.5 】ブレス(息)の基本を知ろう
体全体を使った呼吸を体感する
①息を吐き続ける(体の中の息をすべて吐ききるつもりで)
②吐ききったら息を吸う(無理に吸おうとしない)
・太いパイプが口の中を通って、体の中にたっぷり息が入っていくイメージ
息がたっぷり吸えているかチェックする方法
①人差し指を口の前に置く
②口を大きく開け、喉の奥も開けるイメージ、お腹の下のほうまで息が入っていくイメージで
③目の前にある空気をすべて自分に取り込むような気持ちで
・吸った時に低い音がすればOK
・たっぷり吸うには、まず吐ききることが大切
(テンポの中で演奏する時も1,2,3,4の3で吐いて4で吸う……というような習慣をつける)
息を吐く
・コントロールして吐く
・お腹で支える
お腹の支えを体感する
① 拳を握り(グーを作って)、みぞおちの少し下辺りにセットする
② 軽く押し込む
③ 遠くに飛ばすようなイメージで声を出す
④ 拳が押し出されるように、お腹がグッと少し前に出ればOK
⑤ 同様に①②と拳をセットし、今度は声ではなく息を吐いてみる
(セットした拳をお腹で押し返すように)
息のコントロールを体感する
・紙を用意(ノートの切れ端でOK。分厚くないもの)
・紙を目よりも少し高い位置で持つ
(紙と顔の距離は15~20cm程度。手を広げた時の親指と小指の幅よりさらに少しだけ広げたくらいの間隔)
・紙の下のほうを狙って息を吐く
・息が当たっている紙が一定の角度をキープするように、息の量やスピードをコントロールする
ブレスエクササイズ
・6拍吐いて、4拍吸う
・1~4拍はお腹の支えで吐いて、5,6拍目は支えをやめて全て吐ききるように
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こんにちは。海江田紅です。トロンボーン講座第5回目を始めていきましょう。
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前回までで楽器を吹くための準備は整いました。
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ですが、今日は楽器を一度置いて、ブレスについて、
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息の吸い方や吐き方について、説明していきます。
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まずは、楽器を吹く時の、息の吸い方についてです。
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皆さんまず、普通に、何も考えずに息を吸ってみてください。
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このように、肩が上がりましたか?
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私たちは、普段生活するときは、このような体の上の方を使ってする
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呼吸をしていることが多いです。
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ですが楽器を吹くときには、もっと体全体を使って息を吸ってあげなくてはいけません。
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では、息をたっぷり吸うのを体感してみましょう。
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私が今から息を吐いてくださいと言います。「吐いてください、吐いてください」と
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言い続けるので、「やめ!」と言うまで息を吐き続けてください。
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そして、やめと言われたら、息を吸ってみましょう。
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息を無理に吸うという意識はしなくてもいいかもしれません。
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では、やってみます。
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ではみなさん息を吐いてください。息を吐いてください。
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もっともっと吐いてください。体の中から息が無くなるくらい、全部吐きましょう。
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まだ吐きます。まだ吐きます。あと3秒吐いてみましょう。
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3
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2
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1
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やめ
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どうですか?息が自然とお腹のあたりまで入ってくる感じがしましたか?
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このようないきの吸い方を楽器を吹くときには心がけていきます。
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太いパイプが口の中を通って、体の中にたっぷり息が入るイメージですね。
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息がたっぷり吸えているかチェックする方法がもう一つあります。
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人差し指を口の前に置いて、さっきの浅い方の吸い方で息を吸ってみましょう。
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高い音がすると思います。
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では、今度は深い息の吸い方。さっきの息を吐き切った後の吸い方を
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同じようにやってみます。
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この時は口を大きく開けて、太いパイプですからね、口を開けて、
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喉の奥もしっかり開けるイメージ。しっかり開けて、
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お腹の下の方まで息が入っていくように意識して息を吸ってみます。
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この時、目の前にある、この辺りにある空気を全部自分の中に
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取り込んでしまう気持ちで吸ってみましょう。
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このような低い音が出ましたか?
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たっぷりたっぷり吸うと、このような低い音が出ると思います。
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少し頭がクラクラしたり、目がチカチカしたりしますね。
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これくらい一度ちょっとやってみましょう。
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あまりにもクラクラしたら一旦休んでください。
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これは、冬場に窓を開けてる時のイメージをしてもらうと分かりやすいと思います。
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風が強い日に窓をうっすら開けてると、ヒューヒューと高い音がしますね。
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それを高い音をしなくするためには、閉じるかもしくは
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ガッと全部開けてしまうとこのヒューヒューという音はしなくなりますよね。
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これと同じことなんです。息を吸うときには、楽器を吹くときに息を吸うときは
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今のようにたっぷり、太く、そして体全体に、お腹の底の方まで
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息が入るイメージで息を吸ってあげましょう。
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そしてそのように息を吸うためには、まずは吐き切ることが大事です。
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これから先、この講座の中でも、音を出すときに「1、2、3、4、ター」と
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音を出すことがよくありますが、この時「3で吐いて4で吸う」という習慣をつけましょう。
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「1、2、3(吐く)、4(吸う)」という風に楽器を吹いていきましょう。
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次に、今度は吐く息について考えて行きます。
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楽器を吹くためにはたっぷり吸った息を、ふぅー、とがむしゃらに吐くだけでは
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実は効率が悪いんですね。息をコントロールするということが必要です。
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息をコントロールする、というと、どうしたらいいかわからないと思いますが、
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お腹で支える、という言い方をよくします。お腹で支えるというのも
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よくわからないですよね。
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よく音楽の授業などで、合唱指導の時などに「お腹から声を出して」
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「お腹を使って歌って」と言われたことがあるかと思います。
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それがつまりどういうことなのか、今からまた同じように体感していきましょう。
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グーを作ります。右手で拳を作ってそれをおへその上、みぞおちのちょっと下あたり、
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グッと押すと気持ち悪くなるようなところがありますよね。ここにセットします。
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そして、少し押し込んであげて、ではここで試しに遠くに声を飛ばそうと
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してみて下さい。ヤッホーとか、オーイとかなんでもいいんですが、
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じゃあヤッホーと言ってみましょう。
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ヤッホー!
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どうですか?お腹が少し動いた感じ分かりますか?
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ヤッホー!声を出すタイミングでお腹が少しグッと前に出たと思います。
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同じように、いい声で、まるでミュージカルかオペラの人のように
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「ワッハッハー」と笑ってみましょう。やはり同じように、
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ワッハッハー。お腹が動きますね。
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これが、実はお腹で支えた声というものなんです。
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これを息を吐きながらやってみましょう。
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今度はさっきよりグッとお腹を中の方に押し込みます。左手を添えてあげると
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より押しこめますね。押しながら、息を吐いてみましょう。
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この時に、お腹でこの拳を押し返すように、この、拳で押されて
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気持ち悪くなるのに対抗するように息を吐いてあげます。
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こうしてあげることで、しっかりとどこまで吹くか、どのようなスピードで吹くかといった
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コントロールした、意志を持った息が、吐くことができます。
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では、このような実験をしてみましょう。これくらいの紙を準備します。
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ノートの切れ端でもなんでもいいですよ。あまり分厚すぎるものだと、
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使いにくいので注意しましょう。
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この紙を目より少し上の高さくらいでつまんで持ってあげて、この間が親指と小指を
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広げた幅よりちょっとあるくらいですかね。15cm〜20cm くらい離してあげます。
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そして、この今は印を付けてありますが、紙の下の方、この1点を狙って息を吐きます。
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まず、何を考えずに、しかも、浅い息の吸い方で、息をコントロールしたり、
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お腹で支えたりしようとせずに吹いてみます。
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そうすると、この紙はヒラヒラとなってしまって、上がったり下がったりしてしまいます。
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ですが、今度はこの紙をこのように、ずっと同じ角度でキープしたいんですね。今までやった、
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たっぷり吸って、息をしっかりコントロールしてここを狙ってあげる、というのを
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全てやってみましょう。
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このように、同じ角度でキープすることができましたか?
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今回、ブレスのことについて、たっぷり吸うこと、息をコントロールする、お腹で支えること
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この2点を見てきました。今この中でやった紙の実験や、息を吐き切ってから吸うという実験は
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たまに、自分の体の感覚をつかむためにやってみてください。
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最後に、ブレスのトレーニング、エクササイズを1つやってみましょう。
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6カウント分吐いて、4カウント分吸います。
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この時、吐く息は「1、2、3、4」まではさっきのお腹で支えた息で
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お腹をグッと押し返す息で吐きますが、ラストの2つ分はお腹で支えることをやめて、
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とにかく全部吐き切る、力を抜いて脱力して吐き切るようにしましょう。
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そして、次の4拍でたっぷり吸います。では、やってみましょう。
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「1、2、3、4」
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これを何度か繰り返してみましょう。
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では、次回、マウスピースで音を出してみましょう。
◯入門
1. トロンボーンの歴史と種類
2. 組み立て方・各部の名称を覚えよう
3. 楽器のお手入れをしよう
4. 楽器を正しく構えよう
5. ブレス(息)の基本を知ろう
6. マウスピースで音を出そう
7. 楽器で音を出そう
8. スライドを動かそう①1〜3ポジション
9. スライドを動かそう②4〜7ポジション
10. 音をコントロールしよう
11. タンギングについて知ろう
12. まとめ・音階を吹いてみよう
◯初級
13. 音のコントロールに大事な “息と音の関係”
14. タンキング練習法
15. 音を磨こう♪ “ロングトーン練習法”
16. スライドを動かそう♪スライド移動のタイミング
17. 音域の広げ方
18. 基礎練!全てを活かしてスケール練習
19. はじめてのリップスラー
20. 大事なウォーミングアップ
◯中級
21. 替えポジション
22. ダブル・タンギング
23. トリプル・タンギング
24. ビブラートを学ぼう!
25. 「音量の幅を広げる」音を太く、音圧をあげる方法
◯上級
26. ペダルトーンをやってみよう
27. 強制倍音とは?
28. リップトリルを練習してみよう
29. フラッタータンギングって何?
30. ハイトーンの出し方
動画を見たい。(映らない)
コメントありがとうございます!動画の方、見れるように設定を更新いたしました。ご迷惑おかけします。今後ともおんがっこーをよろしくお願いいたいします!
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